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リバーステザリングを利用したVirtual Desktopの有線利用

November 7, 2025
29 min read
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TL;DR

  • Virtual DesktopってWi-Fi前提だけど、Gnirehtetってやつ使えば有線化できちゃう
  • 遅延気になる人とか、Wi-Fi環境がゴミな人には救世主
  • 手順は意外と簡単だから試す価値あり

はじめに

Virtual Desktopって、Meta Quest(旧Oculus Quest)をPCにワイヤレスで繋いでPCVRできる神アプリなんですよね。 Link ケーブル要らずで自由に動き回れるの、マジで最高なんですけど…

Wi-Fiの品質次第で天国と地獄が分かれる

あるあるじゃないですか?

  • 隣の部屋のルーターから届く電波弱くてカクカク
  • マンションの電波混雑で遅延やべぇ
  • 家族がNetflix見始めた瞬間コマ送り
  • 「5GHz AC以上のルーター買え」言われても予算ないし…

そんなあなたに朗報。実はVirtual Desktopって有線でも使えます。

「リバーステザリング」って技使えば、USBケーブル経由でネットワーク共有できて、Virtual Desktopが有線接続できちゃう。

ちょい前の私の環境、Wi-Fi環境が壊滅的だったんで、この方法に辿り着きました。 備忘録兼ねて、リバーステザリング使ったVirtual Desktopの有線接続のやり方を書いていきます。

リバーステザリングって何?

普通の「テザリング」って、スマホのモバイル回線をPCで使う機能じゃないですか。 リバーステザリング(Reverse Tethering)はその逆。 PCのネットワーク接続をスマホとかVRヘッドセット側で使えるようにする技術です。

普通、AndroidデバイスってWi-Fiかモバイルデータでネット繋ぐんですけど(Meta QuestもAndroidベース)、リバーステザリング使うとUSBケーブル経由でPCのネットワーク使えます。

メリットはこんな感じ:

  • ✅ Wi-Fiルーター要らない
  • ✅ ネットワーク遅延めっちゃ減る(物理接続つよい)
  • ✅ 帯域安定(他のデバイスと取り合わない)
  • ✅ Wi-Fi電波干渉から解放される

今回使う「Gnirehtet」ってツール、Genymobile社が作ったオープンソースのリバーステザリングツールで、root権限不要で動くのが神。VPNの仕組み使ってAndroid側のネットワークトラフィックをPCにリダイレクトしてくれる。

ちなみに「Gnirehtet」って名前の由来…tetheringを逆さにしただけっていうw シャレ効いてますね。

Terminal window
rev <<< tethering
# → gnirehtet

ナイスネーミングセンス👍

必要なもの

ハードウェア

  • VRヘッドセット: Meta Quest 1/2/3/3S/Pro、Pico 4、HTC Vive Focus 3とか
    • Virtual Desktop対応機種なら大体いける
  • PC: Windows 10/11 64bit推奨(macOSでもできるけど、PCVRならWindows一択でしょ)
    • CPU: Intel Core i5-2500k以上
    • GPU: PCVR用途ならGTX 970以上(VR Readyなやつ)
  • USBケーブル: QuestとPC繋ぐやつ
    • 重要: USB 3.0以上のケーブル使ってね
    • 公式Link Cable(約5m、USB 3.2 Gen 1)が一番確実だけど、正直高い(1万円くらい)
    • サードパーティ製でもOK。Ankerとか安定してる
    • ケーブルの品質マジ大事。100均のやつとか絶対やめとけ

ソフトウェア

  • Virtual Desktop: Quest側アプリ(Meta Quest Storeとかで買う、3,000円くらい)
  • Virtual Desktop Streamer: PC側アプリ(公式サイトから無料DL)
  • Gnirehtet: リバーステザリング用ツール(GitHubから無料DL)
    • 最新版はv2.5.1(2023年7月リリース)
    • 注意: メンテ終了してる(けど普通に使える)
  • ADB (Android Debug Bridge):
    • Android SDK Platform Toolsに入ってる
    • Gnirehtetが裏で使うから必須
    • Windows版はここから

その他の前提

  • Quest側で開発者モード有効にしとく必要あり
  • PCとQuest、初回USB接続時にUSBデバッグ許可する
Note

ちょい注意: Gnirehtetは2023年7月のv2.5.1以降、メンテ終了してます。公式READMEにも「もうアクティブにメンテしてない、ビルド問題とかの重大なやつだけ直す」って書いてある。けど2025年11月時点で普通に動くこと確認済み。将来的なAndroidバージョンとの互換性は…まぁちょっと不安かも。

事前準備:開発者モード有効化

Gnirehtet使うには、Quest側でUSBデバッグ有効にしないといけない。で、そのために開発者モード有効化が必要。

手順

  1. Metaアカウントを開発者アカウントにする

    • Meta Quest Developer Centerにアクセス
    • Metaアカウントでログイン
    • 「組織を作成」で適当な組織名入力(個人利用なら何でもいい)
    • 電話番号認証する
  2. Meta Questアプリ(スマホの)で開発者モード有効化

    • スマホのMeta Questアプリ開く
    • 設定 > デバイス > 自分のQuest選ぶ
    • 「開発者モード」ONにする
  3. Quest本体で確認

    • Quest装着
    • 設定 > システム > 開発者 確認
    • 「開発者モード」の項目出てればOK

これで準備完了!

手順

全体の流れこんな感じ:

  1. ⚡ QuestとPCをUSBケーブルで繋ぐ
  2. 📦 Gnirehtetダウンロード&セットアップ
  3. 🚀 Gnirehtetでリバーステザリング開始
  4. 💻 Virtual Desktop Streamerインストール&起動
  5. 🥽 Quest側でVirtual Desktop起動して接続

じゃあ詳しく見てく!

1. QuestとPCをUSBケーブルで繋ぐ

まず物理接続。USBケーブルでQuestとPC繋ぐ。

繋いだら、Quest側にUSBデバッグの許可ダイアログ出るから、「常に許可する」チェック入れてOK押す。これ重要。

Note

初回接続時のみ: Quest側に「このコンピューターからのUSBデバッグを許可しますか?」ってダイアログ出る。「常に許可する」チェック入れて許可しとくと、次から楽。

接続成功したら、Windows側で「デバイスの準備ができました」的な通知出る。

2. Gnirehtetダウンロード&セットアップ

リバーステザリングの心臓部、Gnirehtetをセットアップ。

ダウンロード

Gnirehtetのリリースページ行って、最新版(v2.5.1)ダウンロード。

Windows向けには2種類ある

  • Rust版 (gnirehtet-rust-win64-v2.5.1.zip): 推奨!
    • ネイティブバイナリで軽量・高速
    • Java不要
    • メモリ消費少ない
  • Java版 (gnirehtet-java-v2.5.1.zip):
    • Java 8 (JRE) 必要
    • Rust版で問題出た時の代替

素直にRust版使おう。 特別な理由ない限りJava版選ぶメリットないし。

解凍と配置

ダウンロードしたZIPファイル、適当な場所に解凍。例えば:

C:\Tools\gnirehtet\

解凍すると、こんな感じ:

  • gnirehtet.exe (Rust版) / gnirehtet.jar (Java版)
  • gnirehtet.apk (Quest側にインストールするAPK)
  • gnirehtet-run.cmd (Windows用の便利スクリプト)
Note

PATH環境変数追加しとくと便利: よく使うなら、gnirehtetのディレクトリをPATHに追加しとくと、どこからでもgnirehtetコマンド使えて便利。

3. Gnirehtetでリバーステザリング開始

いよいよリバーステザリング開始!

一番簡単な方法(初心者向け)

コマンドプロンプト(PowerShellでもOK)を管理者権限で開いて、gnirehtetのディレクトリに移動:

Terminal window
cd C:\Tools\gnirehtet

で、このコマンド実行:

Terminal window
.\gnirehtet.exe run

これだけ!

実行すると、自動でこんなことが起こる:

  1. gnirehtet.apkがQuestに自動インストールされる
  2. VPNサービス起動
  3. ネットワークトラフィックのリレー開始

Quest側で初回実行時にVPN接続の許可ダイアログ出るから、OK押す。

成功したら、Quest側の通知領域に🔑(鍵)アイコン表示される。これ出てればリバーステザリング有効になってる証拠。

Note

確認方法: Quest側でブラウザ開いて適当なウェブサイト(例:google.com)アクセスしてみ。普通に表示されればリバーステザリング成功!

Windows便利機能:ダブルクリックで起動

毎回コマンドプロンプト開くの面倒な人は、gnirehtet-run.cmdダブルクリックするだけでもOK。これgnirehtet run実行するだけのバッチファイル。

複数デバイス繋いでる場合

複数のAndroidデバイスPC繋いでる場合は、シリアル番号指定する:

Terminal window
.\gnirehtet.exe run <serial>

シリアル番号はadb devicesコマンドで確認できる:

Terminal window
adb devices
# List of devices attached
# 1WMHH123456789 device

この場合、1WMHH123456789がシリアル番号。

上級者向け:手動で各ステップ実行

自動で全部やってくれるrunコマンドじゃなくて、各ステップ手動で制御したい場合:

Terminal window
# 1. リレーサーバー起動(別のターミナルで常駐させる)
.\gnirehtet.exe relay
# 2. APKインストール(初回のみ)
.\gnirehtet.exe install
# 3. クライアント起動
.\gnirehtet.exe start
# 4. 停止したい時
.\gnirehtet.exe stop

複数のQuest同時接続する場合とかに便利。

Note

注意: Gnirehtet起動したコマンドプロンプト閉じないで!閉じるとリバーステザリング切れる。停止したい時はCtrl+C押す。

4. Virtual Desktop Streamerインストール&起動

PC側のVirtual Desktop Streamerセットアップ。

ダウンロード&インストール

  1. Virtual Desktop公式サイトアクセス
  2. 「Download Streamer App」クリック
  3. ダウンロードしたVirtualDesktop.Streamer.Setup.exe実行
  4. インストールウィザード従ってインストール

インストール自体、普通にNext連打で完了。

初期設定

インストール完了したら、Virtual Desktop Streamer自動起動する(タスクトレイに常駐)。

初回起動時Metaアカウントでログイン求められるから、Quest側でVirtual Desktop買ったアカウントでログイン。

ログインすると、PC自動的に登録される。この時、PCにコンピューター名が表示されるから、覚えとく(Quest側から接続する時選ぶ)。

推奨設定

Virtual Desktop Streamerの設定画面で、これら確認・調整しとくといい:

  • コーデック: H.264(安定重視)かHEVC(画質重視、対応GPU必要)
  • ビットレート: 自動でOKだけど、有線なら高めでも全然いける
    • 有線接続なら50〜100Mbpsとかでも余裕
  • 解像度: お好みで。パフォーマンス重視なら低めに
Note

ファイアウォール問題: Quest側から接続できない場合、Windowsファイアウォールがブロックしてる可能性。Virtual Desktop Streamerに対して、プライベートネットワークとパブリックネットワーク両方で通信許可する。

あと、Avast、AVG、McAfeeとかサードパーティ製アンチウイルスソフト使ってる場合、それらがブロックすることも。Virtual Desktop Streamer例外リストに追加するか、一時的に無効化してテストしてみて。

5. Quest側でVirtual Desktop起動して接続

いよいよ最終ステップ!Quest側から接続。

  1. Quest装着してVirtual Desktopアプリ起動
  2. PC一覧からさっき登録したPC選ぶ
    • コンピューター名表示されるはず
  3. 「接続」タップ
  4. 接続中…
    • 「Measuring bandwidth」(帯域幅測定中)って表示される
    • 有線接続だから、かなり高い数値出るはず
  5. 接続成功!
    • PCのデスクトップがVR空間に表示される 🎉
Note

成功の証: Virtual Desktopのメニュー(Questボタン長押しで表示)の「Streaming」タブで、ビットレートとか遅延とか統計情報確認できる。有線接続だと遅延一桁台(5〜10ms程度)になることも珍しくない。Wi-Fiだと20〜40msとかザラだから、この差体感でもわかる。

ゲームプレイする場合

SteamVRとかOculus PC VRのゲームプレイする場合:

  1. Virtual Desktop内のメニューで「Games」タブ開く
  2. インストール済みのVRゲーム一覧表示される
  3. そこから起動

重要: Steamのゲーム起動する場合、Steam側の「Desktop Game Theater」モード無効化しとく。有効になってると、VR表示おかしくなる。

設定方法:

Steam > 設定 > ゲーム中 > 「Desktop Game Theaterを使用...」のチェック外す

これで全部の設定完了!

トラブルシューティング

よくあるトラブルと解決方法をまとめておきます。

「Computer is unreachable」(コンピューターに到達できません)

Quest側でVirtual Desktopを起動しても、PCが見つからない場合:

チェックポイント1: 同じネットワークにいるか確認

リバーステザリングが正しく動作していれば、QuestはPCのネットワークを使用しているはずです。

  • Quest側でブラウザを開いて、インターネットに接続できるか確認
  • 接続できない場合、Gnirehtetが正しく動作していない可能性大

チェックポイント2: Windowsファイアウォール

Virtual Desktop StreamerがWindowsファイアウォールにブロックされている可能性:

  1. Windowsの設定 > プライバシーとセキュリティ > Windowsセキュリティ > ファイアウォールとネットワーク保護
  2. 「ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリック
  3. 「Virtual Desktop Streamer」を探して、プライベートとパブリックの両方にチェック
  4. PCを再起動
Note

アンチウイルスソフトに注意: Avast、AVG、McAfeeなどのサードパーティ製アンチウイルスソフトは、Virtual Desktopの通信をブロックすることがあります。公式FAQでも「アンインストールしろ」と書かれているレベル。Windows Defenderで十分なので、これらを使っている場合は無効化するか例外設定を追加してください。

チェックポイント3: VPNやプロキシ

PC側でVPNソフトやプロキシを使用している場合、無効化してください。これらはローカルネットワーク通信を妨害することがあります。

「Measuring bandwidth」で止まる / すぐに切断される

接続プロセスの途中で止まったり、接続直後に切断される場合:

原因1: GPU/iGPUドライバが古い

Virtual Desktopは最新のGPUドライバを要求します。

特にノートPCユーザーは、iGPUのドライバも更新してください。内蔵GPUが画面キャプチャに使われることがあります。

原因2: HDR/WCGが有効になっている

Windows の HDR(High Dynamic Range)や WCG(Wide Color Gamut)設定が有効だと、Virtual Desktopが正しく画面をキャプチャできないことがあります。

無効化する方法:

  1. Windowsの設定 > システム > ディスプレイ
  2. 「HDRを使用する」をOFFに

原因3: モニターが検出されていない

Virtual Desktopは、Windowsに検出されているモニターの画面をキャプチャします。モニターがスリープしていたり、電源OFFだと何も表示されません。

  • デスクトップPCの場合、モニターの電源を入れてください
  • ノートPCの場合、蓋を開けた状態にしてください

原因4: USBケーブルの品質

100均のUSBケーブルとか、USB 2.0のケーブルとか使ってませんか?

Virtual DesktopはUSB経由で大量のデータを転送するため、USB 3.0以上の高品質なケーブルが必須です。

おすすめ:

  • 公式Link Cable(高いけど最も安定)
  • Anker製のUSB 3.2 Gen 1対応ケーブル
  • CableMatters製など、評価が高いサードパーティ製

黒い画面が表示される

接続できるけど、画面が真っ黒の場合:

対処法1: モニター設定

上でも書きましたが、モニターがWindowsに検出されている必要があります。

  • デスクトップ右クリック > ディスプレイ設定 を開く
  • モニターが認識されているか確認
  • 認識されていない場合、「検出」をクリック

対処法2: Night light / F.lux などを無効化

画面の色温度を変更するアプリ(Windows Night light、F.lux、Iris など)は、Virtual Desktopと相性が悪いことがあります。

  • Windows の Night light: 設定 > システム > ディスプレイ > Night light をOFF
  • F.lux等のサードパーティアプリ: アンインストール

対処法3: Nvidia Optimusラップトップの設定

Nvidia + Intel iGPU の構成のラップトップを使っている場合、Virtual DesktopがiGPU側で動作してしまい、Nvidia GPUを使えていない可能性があります。

Nvidiaコントロールパネルで強制的にNvidia GPUを使うように設定

  1. デスクトップ右クリック > Nvidiaコントロールパネル
  2. 3D設定の管理 > グローバル設定タブ
  3. 「優先するグラフィックスプロセッサ」を「高パフォーマンス Nvidia プロセッサ」に設定
  4. PCを再起動

Gnirehtetが起動しない / エラーが出る

ADBが見つからない

ERROR: adb command not found

みたいなエラーが出る場合、ADBがインストールされていないか、PATHが通っていません。

解決方法

  1. Android SDK Platform Toolsをダウンロード
  2. 解凍して、gnirehtetと同じフォルダにadb.exeAdbWinApi.dllAdbWinUsbApi.dllをコピー

または、環境変数でADBを指定:

Terminal window
$env:ADB = "C:\path\to\adb.exe"
.\gnirehtet.exe run

デバイスが認識されない

ERROR: no devices/emulators found

みたいなエラーが出る場合:

  1. USBケーブルがちゃんと接続されているか確認
  2. Quest側でUSBデバッグを許可したか確認
    • Quest側に「USBデバッグを許可しますか?」のダイアログが出ていないか確認
    • 一度ケーブルを抜き差しすると、ダイアログが再表示されることがあります
  3. 開発者モードが有効になっているか確認
  4. 別のUSBポートを試す
    • USB 2.0ポートだと認識しないことがあるので、USB 3.0ポート(青いやつ)を使ってください

それでも認識しない場合、adb devicesコマンドで確認:

Terminal window
adb devices
# List of devices attached
# 1WMHH123456789 device <- これが表示されればOK

何も表示されない場合は、USBドライバの問題かもしれません。Oculus ADB Driverをインストールしてみてください。

パフォーマンスが悪い / カクカクする

有線接続のはずなのにカクつく場合:

原因1: PC性能不足

Virtual Desktopは、PCの性能に大きく依存します。

  • CPU: Core i5-2500k以上(推奨は第8世代以上)
  • GPU: GTX 970以上(推奨はRTX 2060以上)
  • メモリ: 8GB以上(推奨は16GB以上)

特にVRゲームを高画質でプレイする場合、ハイエンドなGPUが必要です。

原因2: エンコード設定

Virtual Desktop Streamerの設定で:

  • コーデック: HEVCはH.264より高画質だけど、エンコード負荷も高い
    • 性能に不安がある場合はH.264に変更
  • ビットレート: 高すぎると逆にパフォーマンスが落ちることも
    • 有線なら50〜70Mbpsくらいから試してみる
  • 解像度: 下げると当然パフォーマンスは向上

原因3: バックグラウンドアプリ

PC側で重いアプリが動いていないか確認:

  • Chrome/Edgeで大量のタブを開いている
  • DiscordやOBSなどの配信ツール
  • Windows Updateがバックグラウンドで動いている

タスクマネージャー(Ctrl+Shift+Esc)でCPU/GPU使用率を確認してみてください。

メリット・デメリット

メリット ✅

  • 遅延が劇的に改善: Wi-Fiだと20〜40msの遅延が普通だけど、有線なら5〜15ms程度に
  • 帯域幅が安定: Wi-Fiの電波干渉や混雑から解放される
  • 画質が向上: 安定した帯域のおかげで、より高いビットレートが使える
  • Wi-Fiルーターが不要: PCに有線LAN接続されていれば、高価な5GHz ACルーターを買う必要なし
  • 家族が帯域を圧迫しても影響なし: 家族がNetflix見ようが、YouTubeアップロードしようが関係なし

デメリット ❌

  • ケーブルが邪魔: 物理的にケーブルで繋がっているので、動き回るのに制約がある
    • Beat Saberみたいに激しく動くゲームだと、ケーブルに引っかかる危険性
    • 長めのケーブル(3m〜5m)を使えばある程度緩和される
  • Gnirehtetのメンテナンスが終了: 将来的なAndroidバージョンで動かなくなる可能性
    • 2025年11月時点では問題なく動作
    • 代替ツールも一応存在する(VirtualHereなど、有料だけど)
  • 初期設定がちょっと面倒: Wi-Fi接続と比べると、最初の設定手順が多い
  • 開発者モード必須: 普通のユーザーにはハードルが高いかも

どんな人におすすめ?

このリバーステザリング有線接続方法は、特に以下のような人におすすめです:

  • 🏠 Wi-Fi環境が悪い人: マンション/アパートで電波混雑がひどい、ルーターが古いなど
  • 🎮 FPSやリズムゲームをガチでやる人: 低遅延が死活問題なゲーマー
  • 💸 高価なWi-Fiルーターを買いたくない人: 5GHz AC/AXルーターは数万円するけど、このやり方ならタダ(ケーブル代のみ)
  • 🧑‍💻 技術的なことに抵抗がない人: コマンドプロンプト触るの平気な人
  • 🪑 座ってプレイすることが多い人: シミュレーター系のゲーム(レースゲーム、フライトシムなど)が中心の人

逆に、広い空間でガンガン動き回りたい人には、素直にWi-Fi環境を改善することをおすすめします。有線だとケーブルが絶対邪魔になるので。

代替案:Meta Quest Link(公式有線接続)

「いやいや、有線接続したいだけなら公式のMeta Quest Linkでいいじゃん」と思った人もいるでしょう。それがそうも行かないのが公式Quest Link。

Meta Quest Link(有線)とVirtual Desktop(リバーステザリング)の違い

項目Quest LinkVirtual Desktop(リバーステザリング)
価格無料Virtual Desktopアプリが約2,000円
設定の簡単さ簡単(ケーブル繋ぐだけ)ちょっと面倒(Gnirehtet等の設定必要)
画質高画質高画質(設定次第)
遅延低い非常に低い(同等かそれ以下)
柔軟性Oculus専用SteamVR、Oculusストア両方OK
無線への切り替え別途Air Link使用Virtual Desktopで簡単に切替可能
カスタマイズ性少ない高い(ビットレート、解像度など細かく調整可能)
安定性ごみ非常に良好(有線なので)

結論: 既にVirtual Desktopを持っていて、ワイヤレスの画質や遅延に不満がある人は、このリバーステザリング方法を試す価値アリです。逆に、ゼロから有線接続を検討している人は、まずQuest Linkを試してみて、不満があったらVirtual Desktop検討、というのが良いかも。 いや、公式のQuest Linkは正直あんまりおすすめしません。遅延が微妙に高いし、安定性もイマイチだし。

注意点・Tips

USBデバッグは必ず有効にしておく

Gnirehtetを使う前に、Quest側で必ずUSBデバッグを有効にしてください。初回接続時にダイアログが出るので、「常に許可する」をチェック。これをやらないと毎回ダイアログが出てウザいです。

Gnirehtetは終了させない

Gnirehtetを起動したコマンドプロンプト/PowerShellウィンドウは閉じないでください。閉じるとリバーステザリングが切れて、Questがネットワークから切断されます。

バックグラウンドで動かしたい場合は、タスクスケジューラに登録するか、Windowsサービス化する方法もありますが、ちょっと上級者向けです。

ケーブルの取り回しには注意

有線接続の最大の敵はケーブルの絡まりです。

  • ケーブルは天井から吊るすと絡まりにくい(VRケーブルマネジメントシステムを使うと便利)
  • 座ってプレイするゲームなら、床に這わせるだけでもOK
  • ケーブルクリップでデスクに固定しておくと、抜けにくくなる

パフォーマンスモニタリング

Virtual Desktop、便利なパフォーマンス統計機能ある。

  • Questボタン長押し > 「Streaming」タブ
  • ビットレート、FPS、遅延、パケットロス率とか確認できる
  • 遅延15ms以下ならかなり快適、10ms以下なら神

定期的にGnirehtet再起動

長時間使ってると、たまにGnirehtetの接続不安定になることある。そん時は、Ctrl+Cで停止して、またgnirehtet runで起動し直せばOK。

Gnirehtetのメンテ状況

記事書いてる時点(2025年11月)で、Gnirehtetのメンテ終了してるけど、普通に動く。ただ、将来的なAndroid OSのアプデで動かなくなる可能性はゼロじゃない。

動かなくなった時の代替案:

  • VirtualHere: USB機器ネットワーク越しで共有するツール(有料、$49)
  • EasyTether: Android用のリバーステザリングアプリ(有料、約$10)
  • scrcpy + adb: もっと低レベルな方法だけど、手間かかる

とはいえ、Gnirehtetって2017年から開発されてて、7年以上安定して動いてる実績あるから、そうそう壊れんと思う。

まとめ

リバーステザリング使ったVirtual Desktopの有線接続、どうだった?

この方法のポイント

  1. 🔌 Gnirehtetでリバーステザリング → QuestがPCのネット回線使える
  2. 🚀 Virtual Desktopで接続 → 低遅延・高画質なPCVR体験
  3. 🎮 Wi-Fiより安定&低遅延 → ガチゲーマーも満足

最大のメリットは、やっぱ遅延の少なさと安定性。Wi-Fiだとどうしても電波状況に左右されるけど、有線なら物理的に繋がってるから安心感違う。

特に、FPSゲームとかリズムゲームみたいに遅延がゲームプレイに直結するジャンルだと、この差体感レベルでわかる。Beat SaberでFC目指してる人とか、Half-Life: Alyxでヘッドショットキメたい人とかには特におすすめ。

デメリットはケーブルの取り回しと、Gnirehtetのメンテ終了くらい。ケーブルに関しては、まぁ有線だから仕方ない。座ってプレイするシミュレーター系のゲームなら全然問題ない。

ってことで、Wi-Fi環境イマイチでVirtual Desktopの無線接続に不満ある人は、ぜひ試してみて!思ったより簡単に設定できるし、一回やっちゃえば毎回gnirehtet runするだけで使える。

じゃ、快適なVRライフを〜! 🥽✨


参考リンク